ムサシアブミ(武蔵鐙) サトイモ科 テンナンショウ属

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    数年前、林の散歩道で目を引く野草を見つけました。マムシグサウラシマソウの類いです。見るからに苦手な姿形に、ちょっと見して素通りしていました。
     そういえばと思い出して、林道に行ってみました。3枚の大きい葉の形はひし形に近く、ミヤマエンレイソウを思わせます。その葉より低く隠れるように独特の仏炎苞(ぶつえんほう)がありました。薄い緑色の縦縞があります。先端が下向きに丸まった※苞に守られるように、濃い暗紫色の花が見えます。葉の形からもマムシグサでもウラシマソウでもないようです。
『※つぼみを包むように葉が変形した部分』
    帰宅後、図鑑を開いてみるとミツバテンナンショウがヒットしました。しかしなんとなく仏炎苞の高さが違います。葉より低く慎ましやかにと探していくと、どうやらムサシアブミ(武蔵鐙)が合致するようです。
    この種の野草はテンナンショウ(天南星)という仲間です。消去法で調べていくと、植物を見分けるには多様な着眼点があることを思い知らされます。山野にはまだまだ知らないものだらけ。その度に、散歩の歩みはとどまり続けます。ジョギングなんてもってのほかなのです。